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声の「裏返り」を防ぐ方法

      2017/04/29

ボイトレ情報

それまでいい感じで歌っていたのに、サビの一番盛り上がる部分で、「フワっ」と声が裏返り、残念な感じに…歌を歌っていると、こうした体験は一度や二度ではないはず。歌を一瞬で台無しにしてしまうのがこの「裏返り」です。

おなじみKen Tamplin氏の「Stop Voice Cracking Now!」という動画で、この「裏返り」について解説されていましたので、本日はこちらを覚え書きです。

声の「裏返り」の原因

そもそも、声はなぜ裏返ってしまうのでしょうか。
この重要な問いに、ケン先生は「たくさん理由はあるが、主な要因は二つある。」と述べます。

ひとつは、生理学的な問題です。これはポイントを押さえて筋力トレーニングを行うことで、音程を保つのに十分な力を得られるとのことです。

そして、もう一点が、心理的な部分です。ナーバスになったり、人前で歌うことを恐れたり、高い音を恐れたり・・・といった精神面の問題が、声を裏返らせてしまうのだとか。

今回の動画では、母音のスケール練習を通じて、この裏返りを克服する練習法を提示しています。

声の「裏返り」克服法は、発声の安定にあり

今回は、3つの母音で練習します。
「ooh」「oh」「ah」です。

発声の際、腹に力をこめてコントロールする方法で、喉を自由にします。
この際、「喉を完全に開く」ことを意識します。詳しくは他の動画で解説しているそうですが、舌を顎の底に落とし、喉に最大限スペースをつくります。こうすることで、あらゆる緊張を取り除きます。

この際、重要なのは「横隔膜」からの力を感じることです。
「これはクルマのエンジンみたいなもの」とのことで、発声の際の支えとなります。

このままスケールを登っていきますが、この際、「喉締め」発声になってはいけません。
あくまで喉を開いて、リラックス、リラックスです。

また、加えて覚えておく必要があるのが、「母音の変形」です。
違う母音を発声するとき、喉のフォームが変わるような発声は負担がかかります。
「ooh」「oh」「ah」でも他の母音でも、常に似たような喉の形を保ったまま歌うことで、「裏返り」のしにくい安定した歌声を手にできるのです。

まとめ

「発声の安定」こそが、「裏返り」を克服する重要な方法、ということでしょうか。なんだか動画内では心理的側面には触れられていませんでしたが、安定した発声スキルを得て、楽にハイトーンや難しいフレーズを歌いこなせれば、精神的にも余裕が生まれ、緊張から解放されるかもしれませんね。

なお動画内では、「横隔膜」に関する別の動画も合わせて勉強してほしいとの旨が話されていました。
「横隔膜」のコントロールは胸・首・そして喉をリラックスさせる上で非常に重要で、この方法を知っておく必要があるそうです。どのような内容か気になりますので、これもまたいずれシェアできればと思います。

ではまた。

2017/4/3追記:

「裏返る」というのは、生理的な部分に着目すると、裏声系の筋肉(CT)が地声系の筋肉(TA)に対して優勢になった、ともいえます。ステージ上ではともかく、こと練習においては裏返ることも所謂「ミックス」の開発に役に立つそうなので、やみくもに「裏返りを消そう」と意識しすぎる必要はないのかもしれません。詳しくは以下の記事をご参照ください。

ミックスボイスの発声法・練習法