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間違えやすい?「鼻腔共鳴」と「鼻声」の違い

      2017/04/29

ボイトレ情報

発声にまつわる情報を調べていると、「鼻腔共鳴(Nasal Resonance)」が大切とよく言われます。声の響きが明るくなって音量が増しますし、ミックスボイス体得の足がかりにもなると言われています。

一方、「鼻声(Nasality)」と聞くと、鼻にかかっていて、響きの薄い声という、悪いイメージがあります。

同じ「鼻」への響きを意識したこの二つですが、実際のところどう違うのでしょうか。
今回は丁寧な解説でおなじみのJustin Stoneyさんの動画を見て、「適切な鼻腔の響き」について考えていきたいと思います。

鼻腔共鳴

動画の1:35あたりからです。
鼻腔共鳴を用いることは、発声的に良いとされています。彼がここで話している話し声は、鼻腔共鳴をもたせた声です。

逆に1:45あたりから意図的に鼻腔共鳴させない音色で話していますが、くぐもった(Muddy)声になってしまっていますね。あの名画の主役に似ているとも言われてます・・・。

鼻腔共鳴は、「mom」の発音でスケール練習します。

鼻声

さて、次に悪い例として鼻声が提示されます。動画の2:40あたりからです。

鼻声か否かのポイントは、喉仏の位置のようです。声が「鼻声」になる場合、過度に喉仏が上がります。

喉仏があがると、鼻腔のスペースが損なわれてしまうため、響きの薄い鼻声になってしまうのですね。面白いことに、「鼻声」とは鼻腔の響きを使わない声なのです。

このような声にならないためには、やはり過度に喉仏があがるのを防ぎ、首回りをリラックスさせて発声していくことだそうです。

まとめ

「鼻腔共鳴」:ブライトで自然な発声、鼻腔に響きを感じる

「鼻声」:響きの薄い声、喉仏が上がり鼻への響きは薄い

同じ「鼻」の字があり、特にウェブの文字情報でボイトレを追っかけていると混乱しがちな両者ですが、比べてみると明らかに違うなあ・・・という感じですね。

ポイントは、喉頭の位置で共鳴腔の広さが変わり、得られる音色が変わってくる、ということです。

余談:鼻腔共鳴は「トーンコントロール」?

Stoneyさんは正統派な感じで、共鳴腔を広く保ち普遍的な「良い声」を作っていますが、例えばハードロックを歌うには少々綺麗すぎて鋭さに欠くかもしれません。

たとえば、ハードロック的な音色を鼻腔で得るならば以前扱ったKen Tamplinさんの練習法が良さそうです。

説明についてはこちらもご参照ください。
ロックボーカルのための「本当の太い高音」練習法

こちらでは、Stoneyさん的には「鼻声」すれすれの、タイトな響きを得る練習が紹介されています。喉頭は上がり(Tamplinさんは「下げる」といっていますが・・・)、より明るい音色になっています。

何が言いたいかというと、鼻腔はある意味ボーカルにとっての「トーンコントロール」みたいなものなのではないか、ということです。

鼻腔強め、高域を強調してブライトなハードロックトーンを得るのもよし。

バランスよく鳴らしてポップスを歌うもよし。

あるいは、高域を落として中域・低域を強調するくぐもった(Muddy)な音色も、ブルースなんかにはハマるでしょう。

そんな感じで、声色の表現の幅を広げられるのが鼻腔への響きではないかと思います。鼻腔共鳴を操り、より良いボーカルの「音作り」を楽しんでいきたいですね。

ではまた。