Rock Vocal Tips

海外ボイトレ情報ほかロック歌唱研究ブログ

【来日記念】ブルース・ディッキンソン(Iron Maiden)はボーカルとしても凄い、というアレコレ

      2017/04/29

ライブ参戦

brucedickinson

アイアンメイデンの来日が迫っており、早くも盛り上がってきたわたくしです。
そんな盛り上がりついでに、今回はボーカルブログらしく、メイデンの誇る最強のフロントマン「ブルース・ディッキンソン」について書いていきたいと思います。

ブルース・ディッキンソンといえば、アスリート並みのフィジカルでステージを駆け回ったり、ものすごいフェンシングの腕が立ったり、実はインテリだったり、ジャンボジェットを運転してツアーを回ったり、ブランドビールを作ったり、がんに打ち勝ったりと、とにかくまあバイタリティの塊みたいな人で、何かと音楽面以外の話題が多いんです。

しかし、現在、ぼくは公演に向けて、過去曲~新譜まで聞き込んでいる最中なんですが、改めて思うのは、「やっぱメイデンのボーカル良いなあ」と。

ということで、そんなブルース・ディッキンソンのボーカル的魅力を、今回はがっつりネチネチ扱っていきたいと思います。

幅広い音域

なんといってもブルースといえばまずはその広い声域が特徴です。声域が狭く吐き捨て系のポール・ディアノからボーカルが変わった3rd『魔力の刻印』では、その歌声が賞賛と共に迎えられたといいます。なんというか一気にメジャー感が増しますよね。(無論、ディアノも最高です。念のため)

youtubeでマニアが限界声域を調べてくれています。
ブルース・ディッキンソンの基本的な声域はバリトンで、下は大体D2くらいから、上はB5くらいでしょうか。めちゃ広いです。

ベルティングする高音域

広い声域を操るシンガーが増えた今、ブルースは凡百のハイトーンシンガーの中に埋もれてしまうのかというとそうではありません。

ブルースの歌声はなんというか、一聴して彼と分かる特徴があります。

ひとつは、「ベルティング」の強い発声です。ベルティングとは以前扱ったように、実声を声区を超えて発声することです。

ソウルフルな地声の高音発声!ベルティング(Belting)の方法

対する高音域発声法として、いわゆる裏声をベースとした発声があります。ロブ・ハルフォードやマイケル・キスクなんかはこっち路線だと思いますが、幅広い音域を優雅に歌える反面、歌声の音色で個性が出にくいような気がします。

ブルースの場合は声を厚く持ち上げるような歌い方で、大変暑苦しく、また特徴ある歌声に仕上がっています。

キャリアの初期はより実声の成分が多く、それゆえにライブではパフォーマンスが安定していない側面もありました。下は1982年のライブ音源ですが、「Run to the Hill」サビのD5はあきらめてます。

しかしながら近年のライブでは、高音域の発声はより裏声の成分が強く感じられ、かつてよりも安定したライブパフォーマンスを行っています。2008年の「Run to the Hill」では、サビもフェイクしてないですね。

この実声のベルト分と裏声成分の加減がまた絶妙で、あの唯一無二の暑苦しい歌声が生まれているのではないでしょうか。

伸びやかな太い低~中音域

一方でチェスト域での太ましいバリトンボイスもまた魅力的なのであります。「Hallowed be thy name」などは楽曲のドラマチックな展開もあり、そんなブルースの低~中音域が光る楽曲であります。

ぼく個人的には、実はこちらの朗々とした低~中音域の歌声が好きなんですが、皆さんはいかがでしょう?

独特のディストーションサウンド

これまた独特ながなり声で歌うのも特徴的です。「run to the hill」のヴァースや、「 be quick or be dead」での歌唱なんかがいい例でしょうか。

普通に真似するとあっという間に声を潰してしまいそうな感じですが、 40年近くに及ぶ長いキャリアをあの歌い方で通してきているわけですから、特別無理が掛かっているわけではないでしょう。声をからさない「がなり」については度々過去記事でも扱っていますが、地道な練習をしていくことでモノにできる可能性はあるでしょう。

喉を傷めないがなり声の出し方

バンドのフロントマンとしてはこの上ないほどスーパー

ブルース・ディッキンソンは、歌声、パフォーマンス面含め、ロックの健康的な「陽」の部分をすべて併せ持つ、スーパーマンなんだと思うんです。ちょっと現実離れしたそのパワフルさは、誰しもに驚きを与えるもので、そしてそれはきっとエンタメの根幹なんじゃないかと。だからこそ世界中のキッズ達を今なお虜にしているんでしょう。

来日、楽しみだなあ。20日参戦予定。Up to Irons\m/