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デスボイスの種類と練習方法をまとめました

      2017/04/29

ボイトレ情報

screaming

George “Corpsegrinder” Fisher, lead vocalist of Cannibal Corpse
Alexandre Cardoso – originally posted to Flickr as IMG_7075

現代のエクストリームな音楽にとって欠かせないデスボイス。デス声、デスボとも呼ばれ、「ヤバい声の代名詞」として一般人にも広く知れ渡る言葉であります。

しかしながら、「実際どの声がデスボイス」なのか、という定義の問題は常に論争の種となっています。「スクリーム」はデスボイスなのか、「シャウト」はデスボイスなのか・・・はたまたそれらの言葉が意味するところは一体なんなのか・・・。様々な用語やらなんやらが飛び交い、こんがらがってしまいます。

このブログではこれまで数々の種類のデスボイスに類する発声法を取り扱ってきましたので、そちらをまとめ、「デスボイスとは一体なんなのか」ということについて書いていきたいと思います。

デスボイスの「正しい」定義をしたいという訳ではなく、あくまで「こんな風に考えるとわかりやすいんじゃないか」という枠組みを提示するものですので、ご了承を。

デスボイスは和製英語


デスボイス、という言葉ですが、実はいわゆる「和製英語」なんだそうです。「サラリーマン」「ノートパソコン」等と同じですね。英語では、その発声に準じて、「Growl」「Scream」などと定義づけられています。つまり、そもそも「デスボイス」は日本固有の概念だということですね。

その名称は、まさしく「デスメタルで使われる声」という点に由来します。シンプル。

デスボイスの分類と各種練習法

グロウル(Growl, Death Growl)

デスボイスといえばコレを想像する方も多いでしょう。デスボイスの中のデスボイス?です。
低いピッチで音感の薄い、うめきのような、歪んだ声質が特徴です。
このグロウル、遡れば10世紀のバイキング音楽でも用いられていたらしいですが(さすが北欧)、現代的な形で広まったのはDeathやPossessedといった初期デスメタルバンドの功績でしょう。

練習法としてはリンク先にありますが、基本的には低音ピッチに歪みを加えていく、という格好になります。

凶悪なデスボイスを発声する4つのステップ

フォールスコードスクリーム(False Chord Scream)

「いやいやデスボじゃねーし。スクリームだし」という見方もできるんですが、通常「デスボイス」といった場合にはこれらの発声も含まれる場合が多い気がします。仮声帯(false chord)を使い、通常の声帯では出し得ない歪みを得ます。

練習法としては、「咳き込み」などで仮声帯の感覚をつかむことが先決です。

喉を傷めないスクリームの出し方(false chord scream)

フライスクリーム(Fry Scream)

「Fly(飛ぶ)」じゃなくて、「Fry(揚げる)」です。文字通り、ボーカルフライ(Vocal Fry)の感覚をスクリームに応用します。フォールスコードスクリームと区別がつきにくい場合が多いですが、特に高音域のスクリームをフライスクリームと呼ぶことが多いようです。メタルコア色のある音楽には必須ですね。

発声するには、「ボーカルフライ」そして「仮声帯」の感覚を身につける必要があるようですね。

断末魔のデスボイス!「フライスクリーム」の出し方

ガテラル(Guttural)

「下水道ボイス」「溺死ボイス」と呼ばれる、低音で湿り気を感じるサウンドが特徴の声です。デスボ界でも少々レアキャラですが、初期Carcassのようなゴア的何かには欠かせません。

発声には、まずグロウルを身につけ、そこから口のフォームをつくり音色を変えるなどして行うようです。

深く不快な溺死ボイス!「ガテラル(guttural)」の発声法

ピッグスクイール(Pig Squeal)

「豚の鳴き声」のような、これまた気持ち悪いデスボイスがこちらです。これまた使いどころがレアですが、よりエクストリームさを加えたい時に用いられることが多い気がします。

ガテラル同様、通常のグロウルの音色変化によって発声するとのことです。

豚の屠殺デスボイス!ピッグスクイール(Pig Squeal)の発声方法

このほかにも、「スクリーチ」「吸いグロウル(ガテラル)」「エール」等々といった、さらなる分類が存在するのですが、僕自身があまり把握できていないので、この辺で・・・。

デスボイスの種類を図式化してみると

さて、以上のように様々な種類のある「デスボイス」。これらの共通項ってなんなんでしょう?

これはぼく個人的な仮説なんですが、「音程感のなさ」があげられるのではないかと思います。
図式化すると下記の感じです。

screamatrix.001

タテ軸は、「音程感のなさ」、つまり、実声の成分が薄くなって歪みが多くなり、音程感がなくなっていく度合いで、ヨコ軸はピッチの高さです。このうち、一般に「デスボイス」と呼ばれる声はいずれも音程感が薄い、という共通項があるのではないかと。例えば「がなり声」なんかは歪みつつももう少し音程感があるので、「デスボイス」と呼ばれることは稀です。

「よりメロディアスにデスボしたい」と思えばがなり声によせてある程度音程感を持たせるべきですし、「無慈悲なデスボイスをしたい」と思えば実声帯をほとんど使わず音程感をなくしてしまう、ということが考えられるかもしれません。

まとめ

数ある歌の世界の中でもニッチなデスボイスの世界。しかしながら掘ってみると奥深さがあるものです。
個人的には「音程感」をカギになんとなく「デスボイスとは何か」理解できたような気がするのですが、いかがでしょうか。

ぼくとしては、なぜ「音程感がない」と感じるのか、そして「音程感が薄いのにピッチが高い、低いがわかるのはなぜか」など、まだまだ分からない部分ではありますので、今後も調べていきたいと思います。

ではまた。

10/18追記

なかなか出来るようにならないので、東京近郊でデスボイスを教えているいわお (@burn_the_sky)さんのレッスンを受けてきました。その模様はこちら↓

デスボイス専門ボイストレーナー・いわお(@burn_the_sky)さんのレッスンを受けてきました