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ホイッスルボイスの出し方のコツは、「吸気発声」にあり?

      2017/04/29

ボイトレ情報

「誰よりも高い声を出したい」。そんな風に限界を突き詰めて考えていくと行き着くのが、この「ホイッスルボイス」です。とても人の声とは思えない、超高音が出る発声法ですね。広くはマライア・キャリーの歌唱で知られている技法です。


すげえマニアックな動画だ・・・。

特殊な発声のためか、あまりその体得方法、練習方法は知られていません。ぼく自身も「よくわからん」という感じで諦めていたんですが、ニューヨークのジャスティン・ストーニーさんがYoutube動画で見事なデモ音源とあわせ丁寧な解説をしてくれていました。

今回はこちらの動画を見つつ、ホイッスルの発声法について学んでいきたいと思います。

ホイッスルボイスは開発可能。だが…

ストーニーさんは最初に、「なぜホイッスルがやりたいか」を視聴者に問いかけます。

いわく、「ホイッスルはあまり重要じゃない」とのこと。マライア・キャリーは確かにホイッスルボイスの使い手ですが、彼女は「ホイッスルができるから」ポップスターな訳ではありません。

ホイッスルの技法は、楽曲の中で使われることがほとんどないし、ボーカルテクニックを向上させるわけでもない。ボーカルスタイルに役立つわけでもなく、あまり使われない。
…散々な言われようですね笑

基本的には、ブレスサポート、喉頭のコントロール、ミックス、響き…といった、一般的な練習にまず時間を割くべきだ、と説いています。正論です。

ただまあ、「ホイッスル出したい」と思ってしまった以上、やっぱり出したいわけです。そんな僕らのために、ホイッスルボイスの実際について、ストーニーさんは語ってくれています。

ホイッスルを含めた5オクターブの声区のデモンストレーション

ここで他の声区との比較も含め、ホイッスルの実演をみせてくれます。4:00ぐらいからです。

チェストボイス→ミックスボイス→ファルセット(ヘッドボイス)→ フラジョレット(flageolet:知らない言葉ですが、ヘッドの上の声区のことを表しておるようです。いわゆる弦楽器の「ハーモニクス奏法」のこと)→そして ホイッスルボイス。

「すげえー」というのが素朴な感想です。ボーカルフライも含めれば、およそ6オクターブにもなります。

ホイッスルボイスとは

ファルセット/フラジョレットの場合、CT筋(輪状甲状筋)を働かせ、声帯をめいっぱいストレッチして発声します。なので、より高い音域のホイッスルでは、より強く声帯をストレッチすればできると考えがちです。

しかしながら、ホイッスルは他の声区と異なる方法で発声されるとストーニーさんはいいます。

声帯が振動して音ができる他の声区と異なり、ホイッスルでは声帯はかっちり固定され、後ろの方が少し開いて文字通り「笛」のような構造になります。 笛のように音が発せられるので声帯は振動しません。

ですので、チェスト、ヘッド、ミックス、ファルセットといった他の用語と比べ、明確で混乱しない用語だとのことです。

ホイッスルボイスの発声法の極意

ストーニーさんいわくとっておきの練習方法があるそうです。それは、Inhale Phonations (吸気発声)というものです。

通常、声は「息を吐いて」発声しますが、「吸気発声」では「息を吸いながら」発声します。

「え、そんなことできるの?」と信じられない方もいらっしゃるかもしれませんが、意外とできるんです。

ホイッスルを練習する最初のステップとして、吸気発声でやる方が声帯の端が接触しやすく、実は簡単なんだとか。以下で段階的な練習方法を書いていきます。

ホイッスルボイス開発の5ステップ

1.息を吸いながら話す

2.ボーカルフライを加える

ボーカルフライについてはこちら。
これを用いて、吸気状態に閉鎖を加えます。

3.ファルセット/フラジョレットを考える

吸気でボーカルフライを加えたまま、声帯をストレッチします。そうするとホイッスルの音色が得られるようです。

4.ピッチを合わせる

鍵盤などでピッチを確認しましょう

5.ホイッスルのエクササイズ

他の声区と同様に、練習して曲中で使えるようコントロールしていきましょう。(とはいえホイッスルボイスを使う今日はそうは多くないでしょうが・・・)

ホイッスルボイスは健康的か

ストーニーさんのスタンスとしては、「できればすごいけど、必要ではない声区」、それがホイッスルボイスです。

そのような発声方法ではあるので、もし、「正しくない」「痛みや疲れがある」などを感じるようであれば、練習はやめた方が良さそうです。

やる場合も、ほかの声区の練習にまずは時間を割くべきで、残り1%くらいのボーナスタイムで練習しましょう、とのことですね。

まとめ

ホイッスルボイスは「笛」。声帯の振動を止めて出る音

吸気発声から始めるとホイッスルボイスを出しやすい

必要以上に無理して練習しない

いかがだったでしょうか。
ファルセット/ヘッドまでの声区が「弦楽器」の構造ならば、ホイッスルは文字通り「笛」と同じ構造をとります。そう考えると人間の喉ってすごい楽器ですね・・・と改めて感じました。

また、ホイッスルができないぼくですが、確かに吸気で行うとそれっぽい感じの出音が得られます。

吸気からのステップがホイッスル体得の近道になりそう、というのはあながち間違いではないかと思いますねー。

ではまた。