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バンドで歌う際の歌詞の覚え方について真剣に考えてみた

      2017/04/29

ボーカルライフ

こんばんは。
今度すごい久しぶりにスタジオでセッションすることになり、慌てて課題曲の歌詞を覚え始めているぼくです。

さて、バンドでボーカルを担当するとき、一番大変だ、とぼくが思うのがこの「歌詞を覚える」ということです。

「歌詞ぐらい覚えろよ」と他パートのプレイヤーに舐められがちですが、中々どうして、覚えられないんですこれが。特に言葉の詰まった歌詞や英語詞なんかですと割と地獄ですね。


…無理ゲーですよ。こんなん。

とはいえ、カラオケならともかく、人前で歌うならカンペを堂々と見るわけにもいきません。ということで、本日はこの「歌詞を覚える」ということに関して、ぼくが考えていることを記していきますね。

歌詞は身体で覚える

「覚える」ということはえてして、頭を使うものだと考えがちですが、ぼくはこの「歌詞を覚える」という作業を結構フィジカルのこと、「身体で覚えるもの」として捉えています。

「いったいこいつは何を言っているんだ」という感じですが、まず「覚える」ということの仕組みを振り返ってみましょう。

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よく言われることですが、人間の記憶は「短期記憶」「長期記憶」の2つに大別されるといいます。

短期記憶はいわば「一時保存」、その場で起きたことを秒単位で覚えるものです。一方、長期記憶は半永久的に記憶するものだそうです。ちょうどPCのメモリとハードディスクの関係に似ているかもしれませんね。

さて、そしてこの「長期記憶」ですが、「宣言記憶」と、「手続き記憶」に分別されます。

「宣言記憶」とは、エピソード記憶とも呼ばれ、一連の出来事として記憶されるものです。たとえば、思い出話などをするときの記憶がそれにあたります。

一方、「手続き記憶」とは、たとえば「自転車の乗り方」のような、身体に染み付いた習慣のような記憶のことを指します。

さて、前置きが長くなりました。
歌詞を覚える上で、シンガーが最終的に目指すのは、「ライブ中、どんな場合でも自然にスラスラ歌詞が歌える状態」、つまり「自転車の乗り方」のような、身体に染み付いた記憶として覚えた状態なのではないか、ということです。

そしてこれはぼくが思うにですが、「手続き記憶」として物事を記憶するのは決して簡単ではありません。「日々の習慣」的なアレですから、相当の密度と時間をかけねばならないものです。

とはいえ、ライブが決まっていたりなど、大体にして歌詞を覚えるには時間制限があります。
ですので、この人間の記憶のしくみを段階的にフル活用して、少しでも時短できないか、というのが今のぼくの考えです。以下少しまとめてみますね。

1フレーズ毎に覚える

よく、「まず曲を何度も聴く」という方もいますが、「覚える」という点からはあまり効率が良くないかも、と考えています。できるだけ小さい単位、たとえば1フレーズをごとに繰り返して覚えるのがベターかと思います。

記憶の最初のステップは「短期記憶」に入れていくことですが、「短期記憶」に一度に入れられる容量には制限があるといいます(7プラスマイナス2程度)。一度にたくさんのことは覚えられないんですね。

なので、まずは極小単位を繰り返すべきなんです。

そして、数十秒で失われてしまう「短期記憶」ですが、これを繰り返すことによって
「長期記憶」化することができます。

これはフレーズをひたすら繰り返し聴き、歌うことで、諳んじられるようにしましょう。
個人的には、1フレーズを完了→Aメロを完了→サビ完了→1番完了→曲全体…というように、フレーズ毎に記憶していくやり方が体感一番早いです。

フレーズとフレーズを関連づける

さて、ある程度フレーズ毎の記憶を定着させ、そらで歌ってみようとすると。

「あれ、歌い出しなんだっけ…?」

他にも、次の「フレーズなんだっけ…?」「サビは覚えてるんだけど…?」となるんじゃないでしょうか。フレーズ毎では覚えているのだけれど、いざ通しで歌おうとすると躓いてしまいがちです。

ここで使いたいのが、「エピソード記憶」の概念です。歌詞には意味がありますので、意味が通るようにストーリー的にフレーズとフレーズを紐付けていきましょう。個人的には、ここでよく頭を使って刻みこむことで記憶の定着が進む感がありますね。

「ながら」で歌えるようにする

さて、この段階までで、割とほぼ覚えた状態なのでは、と思われます。集中すれば、ちゃんと歌詞の再現は可能でしょう。
しかしながら、ライブパフォーマンスをするには、少々心もとない感じがするかもしれません。

ここから先は、悲しいことに通してひたすら繰り返し暗唱するしかないように思います。体に刻み込みましょう。

覚えているかどうか、ひとつ判断材料になりそうなのが、「ながら歌い」です。
例えばご飯の準備をしながら歌えたりがスラッとできれば。「身体が覚えている」レベルに達しているのではないかと思います。

思うに、このレベルで覚えてない歌詞は色々な緊張がある本番では飛んでしまいがちです。重要なライブ向けであれば、この段階までやり切ることがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

「歌詞を覚える」というのは、その簡単なイメージとは異なり、結構時間のかかるプロジェクトなんです。ライブ等人前で披露する予定がある、という方は早め早めに手をつけ始めましょう。

そしてなにより繰り返しが大事。ブログ書くヒマあったらサッサと繰り返し練習しましょう。

…謎の技術で歌い手にしか見えないカンペとか、そうやつを誰か早く作って下さい。あるいは簡単に脳に歌詞をダウンロードできるようになるとか。お願いしますね。
それでは。