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裏声が出ない人は「吸気発声」を練習してみると良いことがあるかも、という話

      2017/05/28

ボイトレ情報

裏声が出ない

ぼくは結構高い声が出るにもかかわらず、裏声が出来ませんでした。

ここでいう「裏声」ができないというのは、高音域でも「息漏れがなく」「喉仏が上がり」「音は鼻腔OR口から抜け」「音域はD5あたりまで裏返る感覚がない」というような状態のことです。覚えている限り中学生くらいの頃からこのことには気づいていて、同級生らが友人なんかを囃し立てる際に軽い声で「ヒューヒュー」なんて言ったりするかと思いますが(今の若者は言わないかもしれないけれど)、アレが出来ないわけです。出そうとすると声が引っかかるような感じで出ず、しょうがなく地声で出すわけですね…。

その後、歌を歌うようになり、何だかんだそこそこは歌えていたので裏声のことは「まあ個性かな」位の感じで気にしないようにしていたのですが、折角声に関するブログをやるなら…と裏声獲得を目指して練習してみよう、と思い以下の記事を書いたのでした。

裏声が出来ない…?ファルセットの出し方、練習方法まとめ

しかしながらなかなか決定的な練習方法に巡り会えず、「どうしたものかな…」と考えていたところ出会ったのが、今回ご紹介する「吸気の裏声」という方法論でした。

「地声と裏声の混合」というフレームワーク

「地声と裏声をミックスする」ことに関する情報は色々と見つけることが出来ますが、「裏声が出ない」なんて人はレアなのか、「裏声の出し方」を見つけることはなかなかに困難です。

しかしながら、この状態の声のことを上手く指し示す考え方がありました。
それが「地声と裏声の混合」というものです。
これは武田梵声氏の「フースラーメソード」の中で主に使われる声の捉え方で、本来あるべき「純粋な地声」と「純粋な裏声」が抽出できず、その2種があべこべに混ざってしまっているような状態のことを示すようです。

このあたりの事を初めて聞いた時、「あ、わたしだ」と直感しました笑
ぼくが裏声を獲得するには、この「混合状態」を解消してあげる必要がある、と問題の対象をはっきりさせることができましたね。

吸気の裏声で混合を解消

さて、では実際に「混合状態」の人が裏声を獲得するには、どういった手法があるのでしょうか。
これに関して、色々なメソッドを勉強されているボイストレーナーの木田(@KidaKeiichi)さんと以前お話させていただいた時、教えていただいたのが「吸気の裏声」という方法でした。

吸気、つまり息を吸いながら裏声を発するようにします。最初聞いた時、「そんなことが可能なのか」と面食らいましたが、意外とこれが可能なのです。最初は少し引っかかりますが、徐々に裏声的なキレイなトーンが取り出せる様になります。

これもまた、武田梵声氏のボイストレーニングの手法としてよく知られているようです。
以前ご紹介した著書の中では以下のように記されています。

ビックリしたときに息を吸って声が出ることがあると思いますが、このときは、ほぼ誰でも裏声が出ているのです。(中略)息を吸って出す声は、基本的には裏声の筋肉、すなわち<進展くん>と綱引きをするような関係の<開大くん>が目覚めてくれやすく、その<開大くん>が<進展くん>を協力にサポートしてくれるのです。
『最高の声を手に入れるボイストレーニング フースラーメソード入門』 日本実業出版社 p73

ちなみに、<進展くん>と<開大くん>とは以下のあたり。

後輪状披裂筋

ここで言う<開大くん>、後輪状披裂筋の動きの目覚めとともに、呼気、つまり普通の息を吐いて出す声でも、裏声が出しやすくなっていきます。

ぼくの場合結構強い混合状態だったと思われますので、なかなか呼気で裏声らしきものが取り出せなかったのですが、吸気の練習を日常的に行って半年ほどして、大分裏声らしきものが取り出せるようになってきました。歌に落とすとこんな感じ↓

Bohemian Rhapsody Queen

まだまだ自由に使えるとは言い難いのですが、裏声の箇所はそれらしく聴こえるのではないでしょうか?

まとめ

裏声は、吐いて駄目なら吸ってみる

最初は違和感のある吸気発声ですが、慣れると絶妙な気持ちよさがありクセになります。ぼくなんか笑い方が完全に引き笑いになってしまいましたね。

すぐに効果を実感できる方もいれば、実際に呼気での声に変化が出てくるのに時間がかかる方もいらっしゃることでしょう。よくわからん!という方は、木田さんのような、知見のあるボイストレーナーさんのレッスンを受けてみるのも良いと思います。ちなみに木田さんのご連絡先は以下↓


神戸でボイストレーニング | K VoiceTraining Lab

しかしながら改めて「フースラーメソード入門」について、「裏声が出来ない」みたいな、今まで見えてこなかった色んな人の声の悩みに応えうる著作なんだなあと改めて感じております…。こちらも引き続きおすすめです。

【書評】『最高の声を手に入れるボイストレーニング フースラーメソード入門(武田梵声、日本実業出版社)』

ではまた。