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デスボイス応用編:エールスクリームとは何か

   

ボイトレ情報

以前、エールスクリームに関して以下のエントリーで扱いました。

マッドな怒りのデスボイス!イェール・スクリームの発声法

こちらによると、通常のスクリーム(フライ、フォールスコード)より音程感があるタイプのスクリームとのこと。…まあ正直、これだけではよくわかってなかったんですが、こちらの記事のコメントで、「Rocky Music StudioさんでもYellを扱っている」との情報を頂きました。ロッキーさんといえば、明瞭で大変わかりやすいご説明。度々当サイトでも参考にさせていただいておりました。

ということで今回は上記のロッキーさんの動画を見て、エールスクリームの概観を掴んでいきたいと思います。

エールスクリームとは:歌でもなく、スクリームでもない応用技術

ロッキーさん的には、エールスクリームは通常の歌ともスクリームとも違うテクニックだそうです。どんなものかというと、「歪を載せたシャウトのようなもの」という説明をされています。

ここで言うシャウトは、いわゆるパワーメタルのハイトーンのアレではなく、遠くの人に呼びかけるときの大声のような、ベーシックなもののこと。

歪みを作るフォールスコード及びフライの技術、喉を傷めずにシャウトする技術、そしてそれらをミックスする技術が求められるため、初心者には、エールスクリームはおすすめできないとも仰っています。とても応用的なテクだということですね…。まず、それぞれ個別のテクニックの習得に努めるのが良さそうです。以下のあたりが参考になるやも。

喉を傷めないデスボイス:フォールスコードスクリーム(false chord scream)の出し方

ソウルフルな地声の高音発声!ベルティング(Belting)の方法

スクリームの練習は「ミミッキング」から始める

今回、導入練習として紹介されているのがこちらの「ミミッキング」です。

mimickingとは「モノマネ」みたいな意味ですが、ここでは「お気に入りのボーカリストのスクリームをヘッドホンで聞きながら、その”マネ”をすること」みたいな練習方法のことのようですね。

一体何を真似るのかというと、ここではスクリームの鳴る「配置(placement)」の話をされています。ヘッドホンで聞きながら、そのシンガーが出しているスクリームの「配置」に意識を向けるのです。

…余談ですが、スクリームだけでなく通常の歌を含めぼくも結構コレやってます。効果のほどはなんとも言えないところですが、このトレーニングで作ったイメージ通りに声が鳴るようになってくると超気持ちいいです…。あとそうそう、これなら電車など音を出せない環境でも取り組めますよ!若干ヤバイ人な雰囲気は出ちゃいますが…。

さて、この際、音は息漏れ程度、あるいはホワイトノイズのような小さい音で、スクリームっぽくだしてみましょう。すこし馬鹿らしく見えますが、いわくちゃんと発声の基礎がちゃんと働いているそうですよ。

エールスクリームではシャウトに歪をのせる

さて、次に実際に歪を加えていきます。

歌に歪を載せる「ディストーション」のように、エールスクリームでは、シャウトに歪を載せていきます。

3:16あたりにロッキーさんのデモンストレーションがあります。高音域でフライを乗せたエールです。こんなに軽々と乗るもんなんでしょうか・・・

重要なポイントとしては、鼻腔、頭などの共鳴腔を最大限広げる意識を持とうとのことです。これにより良い倍音、より大きな出音を得られるのだとか。そうすれば、ヘイルストームの姐さんのような声が出ますよとのこと。出したいですね。

中低音では、フライでも可能だそうですが、フォールスコードでの発声がオススメとのこと。フォールスコードを使った場合だと、よりサウンドがアグレッシブになります。このアグレッシブさはあくまで出音の話なので、喉的にはストレスフリー、痛みなし、緊張なしということをめざしましょう。ロッキーさん推奨の、「above the pencil」の意識が役に立つとのこと。

初心者スクリーマーが学ぶ、フライスクリーム発声の実践練習法

まとめ

エールスクリームは応用技術、まずはフォールスコード&フライから取り組もう

「ミミッキング」でエア・スクリーム

シャウトに歪を載せる訓練は必要

前回のエールスクリームのエントリーより幾分整理された気がしますが、いかがでしょうか。

ちなみに、Bring me the horizon、Asking Alexandria、BFMV、Papa roachといったメタルコア系のバンドについては、高音フライを乗せたエールを結構使ってるそうです。

メタルコア歌いたいキッズたちにとってはやはり体得するべきスクリームなのでしょう…。

また、中低フォールスコードでは例示があまりありませんが、レアケースでは、ヘイルストームのリジー姐さんは高域でフォールスコードのエールを使っているんだとか。

ブリッジ部分あたりでしょうか。この唯一無二な攻撃力、これはフォールスコード由来なわけですね…。フォールスコードによる鳴りのほうが古典的なロックやメタルのディストーションに近い音色な感じがします。こうなってくると、「歪を乗せたベルティング」というような言い方もできそう。

ではまた。