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歌の上手い人と下手な人の違いは?【アンケート集計結果まとめ】

   

ボイトレ情報

「歌が上手い人」と「そうでない人」の違いはなんだろう? そんなことを考えたことはありませんか。

単純に「練習量」、というわけではない気がします。カラオケとかで、何も練習してなさそうなのにボイトレ頑張ってる自分より上手い人に出会うことは極々ありふれた光景です。
じゃあ「生まれもった才能の差だ」と言ってしまえば、単純にそうとも思えません。やっぱり、すごい上手い人は何らかの努力を積み立てていそう、というのがSNS等やっているとよくわかります。

この問題には、きっと多くのボイストレーナー・有識者の方が科学的なアプローチを通じて取り組んでおられることだろうと思います。ぼくは残念ながらそちらの方向に明るくないので、代わりに、「量的」に問題に迫ってみたいと思い、2月にWebアンケートを実施してみました。このエントリーでは、そのアンケートの集計・分析した結果を書いていきたいと思います。

アンケートの目的と分析について

上記の通り、「歌の上手い人」と、「そうでない人」の違いを探るのが目的です。
そのために、「重視する価値観」や「練習量」、「経験・環境」「ボイトレ有無」などを聞かせて頂きました。

この分析においては、歌の上手さを、「歌を褒められるかどうか」での回答結果を基に、「かなり上手い」「比較的上手い」「ふつう以下」の3つのセグメントに分けました。


…この設問で完全に正確に「歌上手」を切り出せてはいないと思いますが、自己申告の「上手さ」よりはベターかなと。
以下の各項目では、この3つのセグメント(「かなり上手い」「比較的上手い」「ふつう以下」)の回答傾向の違いを比較していきたいと思います。

歌の上手い人と、そうでない人の違いは?

違い1:歌の上手い人ほど、「個性・表現力」を重視


歌の上手い人ほど、「個性・表現力」を重視(63.3%)し、そうでない人ほど、「音程・リズム」といったものを重視(43.5%)している、という違いがあります。上手い人ほど、音程やリズムといった基礎技術は身についているので、より応用的な部分に着目している、ということですね。つまり、「歌の上手さ」とは、自分自身の歌のレベルによって、定義が変わるもの、と考えられます。

違い2:歌が上手い人ほど、練習している


これはやっぱり、という感じなんですが、歌の上手さと練習量は概ね比例するようです。
特に、「かなり上手い人」と「比較的上手い人」を分けているのが、「毎日練習」か「週に2,3回練習」か、というのが興味深いところ。

違い3:音楽系部活・サークルではそこそこ上手くなれるが…


音楽経験についてです。「ふつう以下の人」層に関しては、音楽経験があるのが半数以下である一方、「比較的上手い人」層は6割近くが「音楽系の部活・サークル」への所属経験があります。このことから、「音楽系の部活・サークル」はそこそこのレベルまで歌の技術を引き上げる効果がありそうです。
一方で、「かなり上手い人」層では、バンド、個人活動とよりアウトプットに比重をおいた経験が増えますので、より高いレベルになりたければ、自発的な音楽活動の機会を持つ必要がある、ということが考えられますね。

違い4:所属経験のある部活に傾向がある


「比較的上手い人」層は、音楽系、特に軽音部(31.5%)と合唱部(26.0%)に所属経験が多い一方、「かなり上手い人」層は、なんと運動部所属が一番多いという結果になりました。これは単純に運動部所属の人が評価されやすい層である、と読むこともできますが、運動の経験が実は歌唱に大きく影響を与えているのではないか、とも考えられます。

ふつう以下の人」層は、帰宅部率がめちゃ高いです(47.8%)。このことから、何らかのコミュニティへ所属し、周りに切磋琢磨する仲間がいる環境のほうが、歌唱力を向上させやすい、という風にも読めますね。

違い5:ふつう未満の人は、ボイトレ通いの比率が極端に低い


「ふつう以下の人」層は、その他のセグメントに比べ、「ボイトレ通い」の比率が極端に低く出ています。このことから、独学ではなく、通いにシフトすることが技術向上に役に立つ可能性があります。

ボイトレについて

ここからは、「ボイトレ」についての設問です。「歌を上達させよう」と思ったときに、「ふつう以下の人」層にとって最もすぐに思いつくアクションが「ボイトレ」なんではないかなあと思うのですが、上記の通り、「ボイトレに通っている」という人はごく少数でした。その為、「通い」を阻害している要因は何なのか、以下で考察しています。

すでに通っている人:トレーニング内容は勿論だが、料金・場所・人柄は継続するのに大事


すでにボイトレに通っている人は、「ボイトレの内容」を重視するようです。これはまあ当然なんですが、一方で、「料金」「場所」「人柄」のような、サービス内容とは直接関係しない要素も、わりと重要視されているようです。特に継続して習うといった場合にはとても重要かと考えます。

通ってない人:料金の期待値は5000円未満が7割…


トレーニングの内容よりも、まず「料金」「場所」といった要素がボイトレに通うことを阻害しているようです。料金の期待値は、「5000円以下」が7割を占める結果となりました。人一人稼働していることを考えると、1回2000-3000円はボイストレーナーサイドからみたら中々難しそうな単価ですが…。

仮説的なもの

音楽部活・サークル→音楽活動が「歌うま」ゴールデンルート


これまでの話から、「音楽系の部活やサークル」などで仲間と一緒にワイワイ技量を上げつつ、その後音楽活動でアウトプットを繰り返して「歌上手」へ…。というのが、多分「歌上手」への主要な道のりであるという仮説が浮かび上がってきました。
「ボイトレ」というと個人で黙々とやっていくイメージが強いですし、それは確実に重要なんですが、一方で、どこかのコミュニティの中に身をおいてしまう、というのが歌上達のためには近道だということです。多分、そっちのが楽しいですしね。

しかしながら、そのルートをたどるには、大きく2つの挫折ポイントが有ると思っています。
1つは、「所属できる部活等がない」ということ。学生であれば部活やサークルがありますが、入部時期を逃すと中々入り込めなかったりしますよね。また、学校から卒業してしまうとそういう仲間を見つけるのは尚更困難です。周りが上手すぎるOR下手すぎる、というようなレベル感の問題もあるでしょう。
2つ目は、「音楽活動のとっかかりがない」ということです。バンドメンバーが見つからない、何から始めたらよいかわからない等、そういうやつ。
…このあたり、SNSやらで上手く代替できそうな感じがしますし、新たなサービスが生まれても良い気がしますな。

まとめ


改めて、アンケートにご協力いただいた方、ありがとうございました。
分母が少なく対象に偏りがあるのでまあ荒いですが、バラエティ番組や、ウェブニュースのアンケートの類よりは信用できる内容になっていると思います笑

皆さんの日頃の歌の練習や、トレーニングの方向性に関して、何らかの気付きになれば幸いです。
ではまた。